
・警察官になるにはどんな試験を受けないといけないの?
・警察官の試験はどのくらい難しいの?
こんな疑問を解消します。
私(マツロー)は大学卒業後に県警の警察官として働いていた経験があり、今回は地方公務員である警察官採用試験のポイントについて説明します。
この記事で分かること
- 警察官採用試験の概要
- 一次試験は筆記試験と体力試験、二次試験は面接
- 筆記試験、論文試験のポイント
- 体力試験のポイント
- 面接試験のポイント
マツローの経歴
- 転職4回で「警察官」「派遣社員」「商社」「大手メーカー」に勤務
- 独学で警察官採用試験に一発合格
- 3ヶ月の期間で警察官採用試験に合格

目次
警察官採用試験の概要
各都道府県警察の警察官になるには、各自治体の警察官採用試験に合格する必要があります。
採用試験には大卒枠と高卒枠があり、私は大卒枠の試験を受けて警察官になったので、大卒枠の試験について解説していきます。
警察官採用試験が行われる回数
試験回数は自治体により異なりますが私が勤務していた県警は春と秋の年2回試験を実施していました。
試験の種類は以下の2つに分かれています。
- 一次試験:筆記試験(教養試験、論文試験)、体力試験
- 二次試験:面接、身体測定
日程的にはまず最初に筆記試験と体力試験を受けて、その後面接、身体測定へと進む流れになっています。
警察官採用試験の受験資格について
受験資格としては以下があります。
- 大卒以上
- 身体基準(概ね身長160cm以上体重47kg以上)
- 30歳以下

身長や体重は“おおむね”なので、必ずしも規定値を超える必要はなく、少し足りなくても問題なく受けることができます。
警察官採用試験の倍率について
受験倍率については私が勤務していた県警では毎年6~8倍程度の倍率となっていました。
最近は日本が好景気のため、公務員が不人気だということをニュースで耳にしますが、それでも地方では公務員というのは魅力的な職業でかつ警察官は一定の人気があるため高い倍率となっています。
ちなみに私が受験した当時は倍率が10倍近くありました。
警察官採用試験:教養試験のポイント
まず一番最初に受ける“教養試験”ですが、ここを受からないと先に進めない訳ですから、教養試験に一番力を入れて対策する必要があります。
警察官採用試験は教養試験のみで専門試験がない!
普通の公務員試験は教養試験の他に専門試験が必要な所が多いのですが、警察官の場合は専門試験がなく教養試験のみなので、他の公務員試験に比べて筆記試験のハードルは低くなっています。
教養試験の詳細
教養試験は大きく分けると“一般知能分野”と“一般知識分野”に分かれていて、
- 一般知能分野:文章理解や数的処理
- 一般知識分野:社会科学や人文科学や自然科学等
が含まれます。
民間企業でもSPIという筆記試験がありますが、SPI試験に似た問題を解いていくというイメージですね。
個人的な見解になりますが、教養試験対策としては本屋などに売っている警察官採用試験の教養試験対策をしっかりやっていれば、ガリ勉をしなくても十分合格水準には届く難易度だと思います。

教養試験の難易度がそこまで高くない理由は、警察官の仕事に非常に高度な学力が求められている訳ではない点があります。
イメージとしては以下のトータルバランスが求められる職種です。
- 一定の学力
- 一定の体力
- 一定の精神力
逆に言えばこれらのうち一つでも著しく欠ける場合は、仮に採用試験に合格できたとしても将来的に警察官を続けていくことは難しいと思います。
教養試験の勉強内容や勉強期間について
私は大学在学中に警察官採用試験を受けましたが、公務員対策講座に通っていた訳ではなく、教養試験対策も自分で購入した対策本2冊を繰り返し行った程度で、勉強期間も3ヶ月程度でした。
よって集中して勉強すれば、数か月~半年もあれば教養試験の合格ラインに到達するのは不可能ではありません。
時間が無いと焦っている人は、半年間集中して勉強しましょう。
ポイント1
教養試験は数か月~半年間集中して勉強すれば十分合格ラインに到達できる
警察官採用試験:論文試験のポイント
“論文試験”はあるテーマに対して自分の考えを論理的に説明できる文章力が必要とされます。
課されるテーマとしては“飲酒運転撲滅に向けて取り組むべきこと”や“自身が目指す警察官像について”等があります。
時間は1時間程度で文章は1000文字程度でまとめる必要があるため、以下のポイントに気を付けましょう。
ココがポイント
- 自分が一番アピールしたい考え
- アピールしたいと思うに至った経緯(自身の経験を交えて説明することが大事)
- アピールしたい考えが警察組織にとってどのようなメリットがあるのか
- 今後自身が警察官になった場合の将来像(どんな警察官になりたいか)も交える
これらを簡潔に分かりやすい文章にすることが重要です。
1については大体どの受験者も同じようなことを記述する可能性が高いため、他者と差をつけるには2~4の記述内容が重要になると考えます。
特に2の部分でなぜそのような考えにいたったかを自身の経験談を交えて書くことができれば読み手側にも熱意やインパクトが大きく伝わり、評価される可能性が高くなります。

ポイント2
論文試験は自分の体験談を含め、アピールしたい内容が警察にとってどのようなメリットがあるのか明確にする
警察官採用試験:体力試験のポイント
“体力試験”については以下の項目となっていて、順に行っていきます。
体力試験の項目と合格基準
試験項目 | 男性合格基準 | 女性合格基準 |
反復横跳び | 20秒で50回以上 | 20秒で40回以上 |
上体起こし(腹筋) | 30秒で25回以上 | 30秒で15回以上 |
長座体前屈 | 45cm以上 | 45cm以上 |
立ち幅跳び | 225cm以上 | 165cm以上 |
握力 | 左右平均45kg以上 | 左右平均25kg以上 |
腕立て伏せ | 30回以上 | 15回以上 |
20mシャトルラン | 65回以上 | 35回以上 |

体力試験には各項目に合格基準が設定されていますが、必ずしも全て基準を上回る必要はありません。
実際私も握力等の複数項目は基準値以下でしたが合格することができました。
試験前に力をいれておきたい項目
これから体力試験を目指す方で一番力を入れておいた方が良いと思うのは“シャトルラン”ですね。
シャトルランとは一定の音楽が流れている間に、20mの距離を走りぬく試験です。
最初は音楽がゆったりと流れているので全然余裕ですが、回数を重ねる毎に徐々に音楽が早くなっていく試験です。

なぜシャトルランが重要かというと、警察学校に入校した後で一番重要になるのが“長距離走”だからです。
警察学校の生活と長距離走はセットみたいなもので、警察学校生活では必ず長距離を走ることになるため、長距離走ができないと学校生活がかなりきつくなってきます。
裏を返せば、長距離走がある程度できれば警察学校生活がかなり楽に感じられるということです。
私の経験的には以下はクリアしておきたいですね。
- シャトルランは100回以上
- 1500m走なら6分以内で走れること(出来れば5分30秒程度)
ここまでの体力を作って臨めば体力試験でも、その後の警察学校での生活でも走ることに関しては大分有利になると思います。
ポイント3
・体力試験はすべての項目で合格しなくても問題ない
・シャトルランは採用後も重要になるので力をいれて練習しておく
警察官採用試験:面接試験のポイント
面接試験でよく聞かれる質問例
“面接試験”に関しては以下のようなことについて聞かれます。
面接ポイント
- なぜ警察官を目指すのか
- 警察官になってやりたいこと(どの部署で働きたいか)
- 警察官の不祥事についてどう思うか
- 学生時代の部活動について
- 警察官の部署で知っている部署を挙げてください
まず一番重要なのは“なぜ警察官になりたいのか”や“採用されたらどんな警察官になりたいか”ですね。
これらの質問は上記で書いた論文試験の内容にも関わってくることが多いので論文試験対策がきっちりと整理できていれば自然と答えることが出来るのではないかと思います。
チームワークで苦難を乗り越えた話を用意しておこう!
警察組織は体育会系のため部活動の話も興味深く聞かれます。
部活動をやっていた人は学生時代に頑張ったことや大会で結果を出したことなど、実体験を交えて述べる必要があります。
特に「一時期苦しんだ時期もあったが、仲間とのチームワークや自身の努力で苦難を乗る超えることが出来た」というストーリーを話すことが出来れば好印象になります。
なぜなら警察は組織で動く特性上、チームワークの重要性が求められるからです。
よって面接の前には、周囲と協力して困難を乗り越えたというストーリーを答えられるようにしておく必要があります。
また知っている警察の部署を聞かれる質問ですが、これは受験者の本気度を探る質問で、どれくらい警察について勉強しているのかを知るために聞かれる可能性が高いです。
受験者の方はこちらについても各都道府県警のHPをみて部署についてもある程度勉強しておきましょう。
ポイント4
・チームワークで困難を乗り越えたエピソードを準備しておく
・どんな部署があるかなども入念に調べておこう
警察官採用試験:まとめ
警察官採用試験のポイントについて解説してきましたが、再度おさらいしておきます。
ココがポイント
- 教養試験は数か月~半年間集中して勉強すれば十分合格ラインに到達できる
- 論文試験は自分の体験談を含め、アピールしたい内容が警察にとってどのようなメリットがあるのか明確にする
- 体力試験はすべての項目で合格しなくても問題ない
- シャトルランは採用後も重要になるので力をいれて練習しておく
- チームワークで困難を乗り越えたエピソードを準備しておく
- どんな部署があるかなども、面接前に入念に調べておく
これらのポイントをしっかりと抑えることができれば、合格の確率はぐっと上がると思います。
まずは筆記試験対策をある程度こなしつつ、最低限の運動で基礎体力を上げておくことが警察学校入校後も踏まえて重要になります。
面接対策についても上記に書いたポイントを押さえておけばそんなに慌てることはないと思いますので、将来警察官の採用試験を考えている人は参考にしていただけると幸いです。
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