
・警察官ってどんな職場環境なの?
・実際に警察官になってみた感想は?
こんな疑問に答えます。
私は社会人としての第一歩を警察官としてスタートしましたが、現在は民間企業で働いています。
今回は実際に「警察官になってみて感じたこと」や「なぜ退職したのか?」など、体験談を解説していきます。
この記事で分かること
- 警察官になるには
- 採用後の流れ
- 警察組織に入って感じた体験談
- なぜ警察官を辞めたのか?
- 警察官のセカンドキャリアは?
- これから警察官を目指す人へ伝えたいこと
マツローの経歴
- 転職4回で内定10社以上獲得、 転職面接の合格率は90%以上
- 年収は最低300万円(派遣)⇒850万円(大手)で500万円以上UPを経験
- 警察退職後は一切スキルなしだったにも関わらず、30代半ばで年収850万円以上を達成
目次
警察官になるには
警察官の採用は俗に以下の2種類あります。
- キャリア採用:国家公務員
- ノンキャリア採用:地方公務員
“キャリア”採用は国家公務員に該当し警察庁に採用されることになり、“ノンキャリア”採用は地方公務員に該当し各都道府県警に採用されます。
キャリア採用とは?
キャリア採用とノンキャリア採用ともに試験に合格することで採用となりますが、“キャリア”採用は国家公務員採用試験に合格する必要があり更に採用枠も非常に狭いため、難易度は非常に高くなっています。
ノンキャリア採用とは?
一方“ノンキャリア”は地方公務員試験に合格する必要があり、さらに試験枠も大卒者と高卒者で別々の試験となっております。
よく町でみかけるお巡りさんや交通課、刑事課等ほとんどの警察官が“ノンキャリア”組の警察官となっています。
なお私は“ノンキャリア”での採用でしたが試験は筆記試験、体力試験及び面接がありました。
それぞれの試験項目で合格基準を満たすことで採用となります。
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元警察官が語る警察官採用試験のポイント
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警察官採用後の流れ【体験談あり】
私は“ノンキャリア”採用でしたので、ノンキャリア組の採用後の流れを説明します。
採用通知が来たあとはまず警察学校に入校することになります。
警察学校とは警察官を育てるための学校で、これまで一般人だった学生を一人前の警察官にすべく学校及び寮で生活し、警察官の基礎を徹底的に学ぶ所になります。
晴れて警察学校を卒業した後は各警察署の地域課に配属され交番勤務での警察官生活をスタートすることになります。
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【実体験】警察学校内の生活
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【体験談】警察学校で生活するにはどのくらい体力が必要なのか
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【体験談】警察組織に入って感じたこと
私が警察という環境に入ってみて感じたことは、体育会系で超縦社会な組織ということでした。
基本的に上司や先輩のいうことは絶対で、逆らうようなことをすればまず組織の中で生きていくことは出来ないでしょう。
また理不尽なことで先輩から指導されることも多々ありますし、上司が部下に体罰で指導するということも日常茶飯事でした。
当時は新卒で警察官になったためこれが当たり前なのかと思ったりもしましたが、警察を辞めて一般企業に入ったときに民間企業の緩さに非常に衝撃を受けたことを未だに覚えています。
マツローが警察官を辞めた理由
退職理由1:過酷な勤務時間
私が警察官を辞めた一番理由は“過酷な勤務時間”です。
私は交番で勤務していましたが通常交番は三交代制となっています。
三交代制とは一つの交番に3班あり、それぞれの班が24時間勤務を三回繰り返し行っていきます。
ですので通常は
- 24時間交番勤務(1日目)
- 非番(2日目)
- 休み(3日目)
の合計72時間サイクルで、そのあとまた24時間交番勤務(以降同じ流れ)を繰り返していくという流れになっています。
私が勤務していた警察署は非常にブラックであったため、
- 1日目:24時間交番勤務(9時~翌日9時)
- ⇒2日目(非番):そのまま帰宅せず警察署で仕事(9時~18時頃)
- ⇒3日目(本来は休み):警察署に駆り出されて仕事(9時~18時)
- ⇒4日目:通常の24時間交番勤務がスタート
という流れになっており、たまの休みと言えばサイクル3日目が土日にあたるときのみでした。(警察署は土日休みのため)。
よって一か月の間で休みがとれたのは平均すると3回~4回程度で、なおかつ警察署で働いていた時間は一切残業等つきませんでしたから100時間以上は余裕でサービス残業していたことになります。
退職理由2:精神的な疲弊
2番目の退職理由は精神的にひどく疲れる点です。
さきほど記載した通り上司や先輩は理不尽なことで指導してくる環境なので、常に気を張っている必要があり心が休まる時間がほとんどなりませんでした。
自由を制限されたような生活を送っていたため、このような生活に絶望した私は“本当の自由”というものを求めて警察官を辞職するに至りました。
また警察は保守的な社会なので“辞める”という意思示をした人間は“裏切り者”という目で見られます。
辞職を決意したら上司に話をするまで周りには言わずに黙っておいた方が得策ですね。
実際私もまず上司に辞職する旨を伝えたのですが、その後周囲に話が伝わったときは一部の人から心無い言葉をかけられたりもしました。
警察官のセカンドキャリアはどうなっている?
私のように警察官を辞めた人のセカンドキャリアはどうなっているのでしょうか?
実際に私や周りの人も含めてどんな職業に就く人が多いかを紹介します。
警察官の再就職候補
- 他の公務員
- 警備員
- 営業職
- 派遣社員
1つ注意する点は、「警察官を辞めたら、多職種で活かせるスキルは非常に乏しい」ということです。
警察は極端に専門的な業務を行うため、民間企業でそのスキルを活かせる人は限りなく少ないです。
それを踏まえて、どのような再就職先が候補になるのか解説します。
市役所などの他の公務員
まず代表的なものに市役所などの「他の公務員」があります。
市役所などであれば、警察官としての業務経験が役に立つ部分もあるため、市役所などを目指す人も多いです。
しかし他の公務員になるには採用試験に合格する必要がある上に倍率もそこそこ高いため、なかなか容易には転職出来ないのが実情ですね。
警備員
警察を辞めたら警備員になる人は結構多いです。
警備員は警察で培った経験が活かせることが多く、企業としては信頼度も高いため、有効な就職先の1つと言えるでしょう。
ただし警備員になると給料が極端に下がるため、そこは覚悟しておく必要がありますね。
営業職
警察をやめて営業職に就く人もいます。
警察官と言えば「活動的でバイタリティーのある人が多い」こともありますし、“元警察官”という肩書も珍しがられるので、営業職で頑張る人もいます。
ガッツのある人なら、営業職で成功することも難しくないでしょう。
派遣社員
次は派遣社員です。
私は警察を辞めた後に派遣社員になりましたが、それは元警察官として活かせるスキルが何もなかったからです。
何とか将来仕事に困らないスキルを身に着けたくて、未経験では採用してもらいやすい派遣社員を選びました。
結果的に派遣社員として大手で働きながらスキルを身に着けることで、私はその後大きくキャリアアップすることに成功しました。
元警察官にオススメの転職先については以下の記事を参考にしてください。私の実体験も書いているので結構参考になると思います!
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警察官を目指そうと考えている方へ
ここまで書いてきたことだけを見ると警察は超絶ブラックだと思われるかもしれませんが、すべての警察署がこのような過酷な勤務環境ということではありません。
別の警察署に勤務している同期に話を聞いたときは私のような勤務環境は稀な方で、しっかりと休みが取れる警察署も多く存在します。
また中には非常に親切で面倒見の良い先輩方もいたりするのでそのような人たちと一緒に仕事ができればここまで過酷な環境で働くということもないでしょう。
ただし一般企業からするとやはり警察組織というものは閉鎖的で縦社会な組織なので、本当に警察官として国家や国民のために働くんだという強い使命感をもった人の方がきついことにも耐えれるし、組織の中でもまれて出世していくのではないかと思います。
私の場合は独特の組織に馴染めず辞職しましたが、そのときは“今後辞めてよかった”といえる人生にしようと強く決意したことを覚えています。
これが私の人生の一つのターニングポイントになったのは間違いなく、その後の社会人生活についても今後記事にしていきたいと思います。
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